腸の機能低下が原因の機能性便秘

環境変化などの一時的な急性便秘とは違い、何らかの理由から常に便秘の状態を慢性便秘といいます。いつも腸内に便が残っていますから体調もきつく、腹痛に悩まされる毎日を送っている人も多いはずです。残便感のある生活は、心も落ち着きませんし、集中力が散漫してしまいます。

また大腸に残った便は腐敗して悪玉菌を増殖させてしまいます。悪玉菌が増えると、便秘はますます解消するどころか、悪化していきます。腸管の免疫機能も著しく低下していきますので、思いもよらぬ疾病が出ることもあります。肌のトラブルはその一番顕著な例かもしれません。

ニキビなどの肌トラブルもそうですが、皮脂に便秘による有害物質が血液の中をめぐりながら、行き場を失い最後はクサイ汗となって排出されてしまうのです。皮膚から発がん性のある有害物質が出ることで、体臭も便臭のようなものに変化します。

こうしたことから精神的にも、追い詰められる人が多いようです。されど便秘などと言っていられないのです。

そのままにしたい人などいませんが、出ないものはしょうがないと結果的に放置している人も多いかもしれません。その時間にも滞留便が自分の体を蝕んでいるのです。慢性便秘のプロセスをしっかりと理解したならば、必ず解決の方向性が見えてくるのではないでしょうか。

慢性便秘の正体は、腸の機能低下がもたらした機能性便秘が殆どです。なかには、癌などの後遺症で慢性便秘になる場合もありますが、おおかたの慢性便秘は機能性便秘で間違いないです。この機能性便秘には3つの種類があります。

自分がどのタイプなのかを把握しながら、改善に邁進したいものですね。そうすれば、慢性便秘の悪夢からもほどなく解放されるに違いありません。理解して腑に落とせば、暗澹たる気持ちに翻弄されることもなくなります。

機能性便秘の3つの種類

慢性便秘である機能性便秘の種類は3つあると言いました。ここではその3つの機能性便秘の正体について迫って行きたいと思います。

 

1・弛緩性便秘
日本人にとって、一番多いのがこの弛緩性便秘といわれるものです。日頃慢性便秘だと言って悩んでいる人の多くが、細かく分類するとこの弛緩性便秘になると思います。女性やお年寄り、そして普段運動から無縁の男性などに多い便秘です。

その主な原因は、まず運動不足になります。大腸の近くにある筋肉を動かす能力が劣ることで、便を押し出す力がなくなり直腸まできている便すら排出できなくなっているのです。

次に、これはどうしようもないことなのですが、加齢が進むと腸が垂れ下がってきてしまうということがあります。垂れ下がると必然的に、腸もゆるみますから腸を動かす筋肉も蠕動運動がしずらくなります。

そして、とくに女性が多いかもしれませんが、ダイエットによる筋肉の退化によって弛緩性便秘は悪化してしまいます。ダイエットをすると脂肪と一緒に筋肉も減りますから注意しましょう。

最後は水分不足です。慢性便秘になると、長いあいだ便が腸の中に居座りますから、便から水分が抜けてしまうのです。すると便はカチカチに硬くなってしまいますから、排出するのに難しくなるというわけです。

 

2・直腸性便秘
直腸性便秘というのも、慢性便秘のひとつです。便が直腸で留まってしまうのです。直腸まで降りてきているのに、出てこないというのはストレスが溜まることでしょう。問題は、肛門にあります。肛門の機能障害が原因で便秘が慢性化しているのです。直腸まで来ているのに出ないということは、つまり肛門付近に問題の症状があるはずです。

例えば痔。痔になってしまうと便を排泄するのにも勇気がいります。あまりにも痛いので、便意があったとしても我慢してしまうのではないでしょうか。こうなると便はいつまでも直腸の中でとどまり続けるしかありません。

または便意があったときに、我慢してしまうくせのある人は、この直腸性便秘になりやすいのです。直腸の神経はこの便意という刺激に慣れてしまうので、敢えて押し出そうということをしなくなります。これは、脳がそのように命令をだしてしまうからです。

また老化による問題もあるでしょう。高齢者などは神経伝達機能が、低下することで排便への積極性が失われていきます。結果慢性便秘に拍車が掛かります。

 

3・痙攣性便秘
今まで紹介してきた慢性便秘とは違い、痙攣性便秘は精神的なことによって引き起こされる部分の多い、便秘です。ストレスが溜まっているときなどは自律神経も乱れてしまいます。自律神経が乱れると、腸の蠕動運動が刺激され過剰に運動をはじめてしまいす。

また腸が痙攣することで、直腸まで降りていた便が戻ってしまうことになるのです。この痙攣性便秘の大きな特徴は便秘のみならず下痢もすることです。便秘と下痢を永遠に繰り返してしまうのです。

これは大腸の異常な運動が原因です。大腸の活発すぎる運動が原因なので、過度な下腹部痛が症状として出てきます。仕事や勉強がおろそかになるほど苦痛に満ちていることでしょう。しかし痙攣性便秘のときに、下剤を飲むのは逆効果なので、苦しくても我慢しましょう。

そもそも大腸の過剰な運動が原因ですので、下剤を飲むと更に腸は痙攣を始めてしまいます。治るどころか悪化するのは目に見えています。

慢性便秘の治し方

慢性便秘には3種類もの便秘があるのだと知ると、自分がどのタイプなのかわかりますね。それが分かれば、あとは各自のタイプに沿った治療法があります。慢性便秘が回復する日も近いかもしれません。

 

1・弛緩性便秘の治し方
慢性便秘の代表格といえば、弛緩性便秘ですが運動不足を解消するようにすれば、筋肉がついてきて便をスムーズに排出することができます。腹筋などを重点的に鍛えることで、排便の時に押し出す力が強くなります。

またダイエットで衰えた筋肉を戻すことも大切です。肥満体型の人は特に筋肉が乏しい事が多いので、意識的に筋力をつけるようにしましょう。エアロバイクなどで、足腰を鍛えるのが効果的です。また食事面でも食物繊維を多く食べることで、刺激を受けて、腸の蠕動運動が激しくなりますから、野菜をたくさん食べましょう。

 

2・直腸性便秘の治し方
直腸性便秘には、まず肛門のトラブルを改善することが慢性便秘解消への近道と言えます。痔になっている場合は、早めの治療をしましょう。

肛門に問題がなければ、直腸性便秘は意外に簡単に解決していける便秘なのです。また、便意を我慢するのは直腸性便秘の敵ですから、便意を感じたら我慢しないで、排便するようにしてください。

 

3・痙攣性便秘の治し方
リラックスした時間を作り、ストレスをなくすように努力することが自律神経も安定させる事になります。また、水溶性食物繊維は腸の中で膨張するので便意を自然に引き起こしてくれます。間違っても不水溶性食物繊維は摂取しないでください。

同じ食物繊維でも、不水溶性食物繊維は腸の活動を活発化しますので、悪影響です。痙攣性便秘に効果のある水溶性食物繊維は海藻などに多く含まれています。寒天なども良いので食べてみてください。
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